靴修理というもの

ゴムの種類なぜ10万円クラスの靴の話をしたかというと、それは修理にかかる費用です。かかとのゴム交換はゴムの種類によって価格が変わってきます。機械を使って簡単に交換というわけにはいかず、職人が手作業で行います。そのため3000~5000円はかかります。毎年変える靴や1万円に満たない靴にそのような金額をかけて履き続けるでしょうか?

相当な思い入れがない限り、そうはならないでしょう。また流行物でしたらたとえ価格が高くても、履き続けようとは思わないでしょう。革質が良い靴は、クリームや靴墨などで手入れを行えば10年、いえそれ以上履き続けることが可能です。それを考えれば数年に一度のかかとの修理などは安いものなのです。

また修理に関することすべてに共通するのですが、修復はなるべく早めに行うことです。靴の場合はかかと部分はヒール+ゴムで形成されています。そのためゴムが擦り切れると次はヒールがすり減ることになり、そこまでいくとヒールを削って調整しなくてはいけません。つまり靴の高さが変わってしまうのです。これはヒールだけではありません。革底も同様です。穴が空いてしまっては、内装まで傷つけることになりかねませんので、早め早めの修理が結果として安く、そして長く使用することができるのです。

靴底とかかと

10万円クラスの靴のほとんどは革底です。しかも1枚の革を貼り付けているのではなく、底の形に合わせてカットしてあります。そのため型に合わせてカットしているのではなく、手作業で削っていることが多く、それを見ただけで違いが分かることが多いのです。ですが痛みが激しいのも、また底の部分となります。地面に直接触れるのですから当然といえるのですが、履き慣れている人にとっては気をつけている場所でもあります。しかしここで盲点となりやすいのが「かかと」の部分です。

かかと革底の靴であっても、かかとはゴムであることが多く、革に比べると損傷は大きくありません。ですがこれは革靴であって、スニーカーではないのです。なにが言いたいかというと、それは使用法、つまりは歩き方です。革靴、つまりかかとがある靴はスニーカーと違い歩くことが前提です。スニーカーは走ることも考えて作られており、それを使用し走る人も当然います。ですが革靴を走るために履くという人はいません。

歩く場合、最初に地面に触れる場所は「かかと」です。かかとを軸に歩くことになるため、歩くための靴はかかとのすり減りが早いのです。昔はかかと部分に鉄を打ち込んでいましたが、現在はそのような人はいません。そのためすり減ったかかとのゴムは交換しなくてはいけないのです。

10万円の靴と靴修理

10万円の靴は高いと思いますか?革靴を普段はくことの少ない人にとっては非常に高い買い物のように感じますが、革靴限定では実は高い買い物ではありません。ただしこれは革商品として10万円の価値があるもので、流行物やデザインで価格が高い物ではありません。

靴修理革商品として価値のある革靴、それは革の質そのものが高い商です。革であるのに伸縮性があり、足の形状に馴染んでいきます。上質の革を使っているため、通常の革よりも柔らかく軽いのです。また手製であることが多く、パーツ別に作られていることもその特徴となっています。それでも10万円は高いと思えますが、長い目でみると案外そうではないのです。革靴で1万円の靴を買われる人は多いと思いますが、履き心地は10万円の靴とは比べものになりません。中には軽い素材を使っている靴もあるのですが、特にウレタン素材は劣化しやすいのです。

先に示したように10万クラスはパーツに分かれることが多く、靴修理ができる箇所が多いのです。つまり1万円の靴を1年に1足買い替えるか、それとも10万円の靴を10年履くか。そう考えると10万円の靴はそう高くないと思えるのです。ただし10万円の靴といえど、10年履き続けるには条件があります。それは手入れです。なんの手入れも行わなくては、たとえ上質の革であっても損傷が激しく、10年は持ちません。また手入れを行っても、すり減ったしまった場所は手入れを行うことはできません。その場合は靴修理ということになります。